鉄カブト BLOG

ガーラ

20070220185213.jpg


これが今までで一番の大物の魚拓。
右のが114センチ21.5キロのガーラ。ギターのサイズと比べると大きさがよく分かると思う。
これはホントに大変な釣りだった。
場所は那覇市内の防波堤。時間は夜10時頃。
もう今日は帰ろうと竿をあげ仕掛けを回収している時にヒット。リールの巻き上げ中にレバーがガクッと止まり、「根がかりか?」と思った次の瞬間猛スピードで走りだした。50m、100m、、、全然止まらない。スプールの底に糸の最後の結び目が見えたときようやく止まってくれた。
しかしここから5センチ巻いては10センチ出されるというのを100回近く繰り返し、竿を極限まで曲げたままの状態が1時間も続いた。アバラがきしみ腕はパンパン、膝は90度に折った姿勢を延々続け、引きに耐え続ける。それはそれまでやってきたどんな空手の稽古よりキツかった。
そのうち相手が左右に走り始めたので「ガーラだ」と確信。「サメだったら糸を切ろう」と思っていたのが「絶対に釣り上げる」という決意に変わった。ガーラなら最初の走りをやり過ごせばあとは時間をかければあげる自信がある。この海域は俺の庭、海図まで取り寄せて地形を調べてあるのだ。
しかし体力的に限界。やがてアタマの中で何故かBURST RONDOの「ガラスの偶像」という曲がループし始め、「ラーラララララー♪」と一緒にリフを口ずさみ己を鼓舞(笑)
その合間に「来い・・・!来い・・・!」とつぶやきながら必死の形相で魚とファイトする姿はかなりアブなかったと思う。
人間そういう時って色んな事を考えるもので「海の神様、俺にコイツを釣り上げさせてください。釣れたら真人間になります」「いや、そういう契約めいた事を思うのは悪魔のささやきだ、弱気の表れだ、あくまで実力であげるべし」そしてまだ見ぬ魚に向かって「俺はお前を尊敬する、お前を一生忘れない、だから俺に釣られてくれ」と念を送る、、など、極限の人間心理を垣間みることが出来た。

疲れ果てながらも相手の動きに合わせてテトラポットの上を50M単位で往復する事10回以上。ヤツがようやく岸に寄ってきた。もはや引くというよりはひたすら重い。そして俺はますます「絶対に釣り上げねば」と決意を新たにした。ここまで弱らせては、もし糸が切れヤツが自由になったとしてもこの海域にうじゃうじゃいるサメ共の餌食になるだけだ。とにかくこの手で決着をつけねば。

慎重に、海底から石を引き上げるかのようなポンピング、巻き取りを繰り返すと、とうとう水面に巨体が現れた。暗い海の底から青白く光りながら徐々に輪郭をはっきりさせて浮いてくるヤツを見て恐怖すら感じたのを憶えている。
タモ一つではすくえず、魚のアタマと尻尾両方から二本のタモ網で身柄確保し、ギャラリーの協力を得て遂に開始1時間40分後ランディング成功。俺は魚のそばに倒れ込み5分程は何もできなかった。
息を切らして起き上がれない俺、口をパクパクさせて動かない魚。釣りを全く知らない人が見たら一体どっちが勝者なのか分からなかったかもしれない。
とにかくそのとき思ったのが「人間は絶対に自然にはかなわないな」という事だ。

そこからはひたすら忙しかった。キャスターを借りての搬送、大型クーラーでのキープ、翌朝釣り具屋のオープンと同時に検量、雑誌や新聞の取材、もうこのサイズからは自分ではさばけないので知人の鮮魚店で解体、そして友人総出で2度に分けて刺身、漬け、煮付け、フライ、ステーキ、炒め物、和え物、おつゆ、寿司などあらゆる料理法で美味しく食べた。とにかく皆で「美味い美味い」といって食べた。まるでお祭りだった。のべ40人分の量だった。

なんだか夢を見ているような気持ちであっという間に1週間が過ぎ、それからようやく「釣ったんだ」という実感がじわじわ湧いて来た。
あるとき部屋で魚拓を見ながら一人でビールを飲んでいるとふいに嬉しくなって「うふふ」と笑った。そして同時にちょっと涙が出た。このときようやくこの釣りが終了したように思う。

サイズが全てじゃないし、どの釣りにもドラマがあるけど、間違いなく最も印象深い釣りの一つという事で書いてみた。

ちなみにこの時のタックルは以下の通り。
竿 MARINE SurfMaster 投げ 33−420
リール MARINE プレスト6000
道糸 BIOSOFT 10号(19キロライン)
ハリス 船ハリス10号
針 チヌ針7号
エサ シガヤータコの下足
  1. 2007/02/20(火) 20:08:36|
  2. マサ
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  1. 2007/08/13(月) 06:11:08 |
  2. 鮮魚の極意

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